ライブレポート５９（by 竹内大輔）

　お店に着くと、もう看板は出ていて、そこに『本日のライブ、Dixie Pork』と書いてある。お店の人の手書きなの だが、こういう所にも店からの期待を感じてしまう。また、『ヒゲロックという新しいジャンルに取り組んでいる４人組』とまで書いて あって、ますます嬉しくなってしまうが、さらに『ＭＣも面白いです』と書いてあった。これには一真は極度のプレッシャーを感じて しまったらしいが、まあこれらがお店から見た、我々のバンドの売りだということだ。プレッシャーに打ち勝って、ライブをしてもらい たいものである。
　ライブは前回と同じく、ちょっと遅めの20:30頃から始まった。今回も２ステージで、1st.はアコギ、2nd.はエレキという構成にした。 １曲目は一真のアコギのイントロから始まる、Jagtime Ragband だ。この曲はアコギもよく似合う。そして２曲目は渥美が歌うおらが春。 順調な滑り出しといったところか…。そして、３曲目の前でいよいよＭＣだ。今回はどのような話しをするのだろう。
「何やってるBarは、何が良いかっていうと…」
…というくだりで一真は話し始めた。
「料理が美味しいというのはもちろんですし…、あ、あと店員さん達が格好良いというのももちろんありますし…」
おおッ！と店員さん達からも歓喜の声が上がる。さすが一真、のせるのが上手い。
「実は私達、この前高円寺でライブやったんですけど、その時フライヤーというバンドの紹介文みたいなのが載ってる紙があって…」
一真が言っているのは、前回私が出られなかった、高円寺 Show Boat でのライブだ。私は参加しなかったため、その時に起きた出来事 など知るよしもない。何だろうと思い、聞き入ってしまう。
「そのフライヤーには、その時出るバンドに対して、結構いいことが書いてあるんですよ。例えば Sole Jack Cay というバンドには、 ソウルフルかつファンキーなメロディにのせて…とか。また、北京ドッグだったら、火の玉ロックを放つ男達…みたいなね。そこで俺ら ですよ。何だと思います？…狭山が生んだ４匹の子豚、ですよ！？」
…おお、これはまたダサいネーミングで面白い。店内に笑いが響き渡る。
「そしたら何やってるBarは、お店の入口に色々とうちらについて書いてくれてますよ！ヒゲロックに取り組んでる…とか」
なるほど、そこに繋がるわけか。しかし、「何やってるBarの良いところは」…で始まったのが気になるといえば気になる。そんな私の 思いをよそに、ドアドアのイントロを弾いてくれという指示。そして３曲目に入っていった。