定番の構図


 2004,7,22〜7,26…シンガポール(シンガポール共和国)
   (7,23〜7,24)…ビンタン島(インドネシア共和国)



  2004年7月22日(1日目)

 今回は久々に、真っ当な旅行≠ナある。現地で演奏をしたり、変な薬を買ったりという“仕事”は無い。だから、 行く前から私はワクワクしていた。行き先はシンガポールであるのだが、もう1つ、ビンタン島というインドネシア領の島にも行って みようと思っている。シンガポールは東南アジアの中心地という場所柄、品物の流通が盛んで、ショッピングの豊富さという点ではとても 魅力があるところ。一方、ビンタン島はアジア有数のリゾート地だ。この2つを5日間(そのうち最初と最後の日は移動のみだ)のうちに 両方楽しむのだから、かなり欲張った日程になる。だが、どちらも初めての土地、じっくりと楽しみたいと思う。

尾翼にエンジンがあるのが特徴のDC10
…ノースウェストの“安全のしおり”より

 今回の成田発は18:15で、かなり遅い便である。シンガポール着は0:40なので、深夜になってしまう。格安ツアー だったので致し方ないことなのか…ついでに航空会社はノースウェスト、アメリカの会社である。余談だが、このノースウェストという 航空会社の飛行機で、DC10という機材がある。結構古いタイプの飛行機で、日本での定期乗り入れの旅客便ではノースウェストと、あとは 日本航空ぐらいしか存在しない。日本国空では2005年までに退役が決定済み、ノースウェストもこの夏に新型機材を導入予定ということ なので、日本で見られる(乗れる)チャンスはあとわずかということになる。そしてノースウェストの成田→シンガポール便は、この DC10が使われている数少ない路線なので、そういう意味ではラッキー(?)というか、貴重な搭乗者ということになるのである。 もっとも、そこまで考えてまでシンガポールに行く人も、数少ないとは思うが…。
成田空港にて  さて、搭乗口に着くと≪19:15発に変更≫の文字が…。なんということだ、ただでさえ夜の12時過ぎに到着するというのに、これでは 1時過ぎになってしまうではないか。運が悪いというか、仕方のないことであるのだが、理由が知りたい。その後、1時間遅れで出発した 飛行機で、「皆様がお乗りになるはずだった飛行機が機体整備をしなければならず、急遽新しい飛行機を御用意しての運行とし、その出発 準備のために出発が遅れました、申し訳ございませんでした」とのアナウンス。新しい飛行機といっても、機材は同じDC10。同じ種類の 別の機体を用意した、ということなのであるが、迅速に用意できるというのも大したものだと思う。ノースウェスト航空は、実は成田空港 の発着数が、日本航空に次いで多い(日本企業である全日空より多いのだから、これはすごい話しだ)。ゆえに機材も数多く保有している ことから、今回の措置が可能だったのであろう。これが1日1便しか来ていない航空会社だったら、運休になってしまったのではないの だろうか。まあとにかく、ノースウェストが大きい会社で良かった。

 窓側の席ではなかったため、外の景色を楽しむこともできず、7時間弱でシンガポールはチャンギ国際空港に到着。 時間は現地時間で1時10分過ぎ。深夜なので空港内はガラガラであった。が、実はこの空港、世界の人気空港ランキングで常に上位に ランクされている空港で、私も以前からそのことは知っていて、一体どのような空港なのだろうと、到着前から結構気にかけていた。特に 施設が充実しているところは、主に出国審査を終えた後のエリアで、我々日本から到着した客から見れば、入国する前のエリアということ になり、一般には「保税エリア」と呼ばれているところである。成田空港で言えば搭乗直前のエリアで、簡単な軽食をとれる場所や、 免税店などが並んでいるエリアである。
 まず思ったのが、広い!ということ。待合室やロビー風な場所に、ソファーがいくつか並べてあるが、成田空港の4、5倍は座席が用意 されているのではなかろうか。また、美しさ(…というより重厚さ?なのだろうか)も見過ごせない。深夜1時過ぎだというのに、免税店 (品揃えも充実している)や土産屋さんも開いている(一応一部です)。実は空港内にあるお店は、ほとんどが市内にもある店で、市内の 同店より値段を安くすることを条件に、空港に出店しているのだという。酒やタバコはもちろん、化粧品、オーディオ商品、CD、花、 おもちゃ、スポーツ用品、さらにはパソコンまで売っているという。GST(消費税)ももちろん免除されている。空港という場所柄、 置かれている商品は市内に比べれば限られているが、ここで買えば大体はお買い得と言えそうだ。そして、空港内の地図がほしかった ので、空港のパンフレットを見付けたが、ちゃんと日本語版も用意されていた。日本語版は結構ポピュラーなサービスかもしれないが、 チャンギ国際空港にて…夜中だがお店は開いている
ディスプレイには日本語表記にも対応、すごい シンガポールは多民族国家でもあるので、他にも英語、中国語(北京語)、マレー語、インドネシア語、スペイン語版なども置いて あった。そして空港案内パンフレットを見てみると、映画館、プール、シャワー、カラオケボックス、フィットネスクラブ、仮眠用の ホテル、ゲームセンター、…フードコートにはファストフードから、本格中華料理、西欧料理、アジア各国料理、そしてなんと回転寿司 まであるようだ。映画館、ゲームに至っては無料である(プール、フィットネスクラブはホテル宿泊客のみ無料)。確かにすごい充実 ぶりである。我々は深夜到着、そして帰りは朝出発なために時間の都合もあり、見られる施設は限られていたが、この空港がいかに 優れているかというのは、使えば使うほどに身を持って分かるのだろうと思う。まだ入国前だというのに、感心してしまった。
 ところで、シンガポールのお金はS$(シンガポールドル)なのだが、1週間以内の滞在だったら、空港で両替する事をお勧めする。 市内の両替所より多少はレートが悪いが、短期間の滞在という事を考えると、良い両替所にわざわざ向かうという時間の方がもったいない からである。ちなみに成田空港で両替するより全然いい。今日の成田空港でのレートは1S$=68円、チャンギ空港でのレートは 100円=1.58S$だった。つまり、1万円を成田空港で両替すると約147S$。チャンギ空港で両替すると158S$という ことである。これは、日本円で600円以上の差になるので、シンガポールドルを両替する時は迷わずチャンギ空港で。ちゃんと24時間 やっています。ターミナル1では荷物受け取り所内に両替所があるので、自分の荷物が出てくる間に両替するのが賢いかもしれない。 驚くほど両替はスムーズに進むし。
 入国審査、荷物受け取りの後は最後の関門、税関だ。実はシンガポールの税の扱いは結構厳しい。タバコは1本から課税の対象になる (1箱からではない)。チューインガムの持持ち込みも厳禁だ。だが、日本人の場合は信用があるためか、顔パスな感じで通り抜けられる 場合が多い。だが、もし荷物検査かなんかで対象の物がみつかったら、即罰金である。日本出発時から対処しておきたい。

 そんなこんなでやっと空港をたち、シンガポール内のホテルへ。だが、明日の朝にはもうビンタン島へと向かって しまうのだから忙しい。まだ街中の様子は分からないが、それは明後日以降にとっておくとして、今日はひとまず休むことにした。

 

  2004年7月23日(2日目)

 朝9時半にホテルのロビーへ集合。これから、ビンタン島へ向かうフェリーの乗り場まで、ツアーの人に車で送って もらう。ビンタン島は、シンガポールからフェリーで45分の所にあるインドネシアの島で、この島の北部一帯をアジア有数のリゾート地 とするため、15年ほど前にインドネシア、シンガポールの両政府によって開発されたものだが、その開発も5年前には一段落。各種 リゾートの施設はそう多くはないが、リーズナブルなものから最高級なものまで一通りそろっているし、プーケット島やバリ島までの開発 には至ってないので、より自然な部分が楽しめる場所となっている。シンガポール人も、週末になるとこの島でのんびりすごしに来る人が 多いそうだ。1泊2日で、往復のフェリーとホテル付きで15000円ぐらいだとか…。羨ましいものである。
 シンガポールのタラ・メナ・ターミナルではきちんと出国審査があり、荷物検査もして船に乗り込む。そう、わずか45分の船旅とは いえ、これはれっきとした国際線。パスポートももちろん必要な路線である。出国審査後の待合室には小さな免税店も構えていた。 11時5分にシンガポールを出発して、インドネシアはビンタン島リゾート・フェリーターミナルに着いたのが10時50分。あれ? と思うが、シンガポールとインドネシアは1時間の時差があるため、こうなってしまうのだ。我々は今日の11時という時間を2回体験 したことになる。どうでもいい事だが、こういう体験は日本にいるだけでは、なかなかできない事でもあるのだ。
 インドネシア入国の際には、我々日本人はビザがいるようになった。滞在期間が3日以内なら、10US$で簡単に発行させてもらえる (4日間以降は25US$)。ただし、これはUS$でないと払えないので注意が必要だ。ビンタン島での入国審査は、パスポートにビザ を貼る作業があったりして、簡単に通過というわけにはいかないが、そこは審査官のテキパキとした作業で、スムーズに通過することが できた。荷物を受け取って、さらに荷物検査をされ(なんでここで検査されるのか不思議だ。それほど密輸者でもいるのだろうか)、 ビンタン・ラグーン・リゾート外観
インドネシア風東洋建築でまとめられている 海、というより砂浜が自慢らしい やっとのことでターミナルの出口へ。そこにはこれから泊まるホテルの従業員が、バスを用意してくれて待っていた。
 ビンタン島には、公共交通機関は存在しない。フェリーターミナルからホテルへは、ホテルのバスや車が無料送迎を行っているので ある。つまり、ビンタン島に行くには、基本的にホテルを予約しなければならないということである。我々はもちろんツアーで予約して いるので、停まっていたバスに乗り込んだ。このバスの中には、我々と同じホテルに泊まる人も何組か乗っていたが、その人種の豊富な こと…。ヨーロッパ系の人から、中国系の人から、インド系の人まで…。さらに韓国人観光客まで乗っていたが、ここでは我々日本人と 同様、少数派の国籍のようだ。今日は平日だからか、シンガポール系(いわば中国系)の人は少なく、ヨーロッパ系のバカンス客が多い ように感じた。しかし、インド系の人が家族でバカンスに来ているというのは、私はなんだか新鮮に思えてならなかった。地球規模で 考えれば当たり前の事なのだが…。
 バスは何も無いところをとにかくひたすら走る。開発されたといっても、それはホテル周辺と、それらを結ぶ道だけだという事に 気付く。そしてターミナルを出て約30分後、バスは我々の泊まるホテル、ビンタン・ラグーン・リゾートへと到着した。…と同時に、 ホテルの入り口では我々を歓迎してくれるセレモニーが…これは嬉しい。早速リゾート気分に浸ってしまう。その後チェックインし、 ロビーから客室へ案内されるが、とにかくこのホテルはでかい。また、建物がインドネシア風東洋建築でまとめられているのも心憎い 演出である。時計を見ると、まだ昼の12時くらいで、時間はたっぷりある。さて、どうやってリゾートを満喫するか。

 まず向かったのはプライベートビーチだ。ここの砂浜は真っ白で定評があるが、確かにその通り。海はそこまで 綺麗というわけではないが、砂浜はホント綺麗だ。足で踏むと、キュッ、キュと音がする。ここではタオルケットと椅子を借り(もちろん 無料)、のんびりと横になる。そんなに天気が良かったわけではないが、2,3時間は横になっていただろうか。よく考えたら、日本を 出発してからまだ、24時間も経ってなかったわけで、色々忙しく移動してきたから、この休みは身体に丁度良かった。
パッサ・オレオレ
ローカル度が強かった  さて、夕方になりどこかに出かけようと思い、ガイドブックを見てみると北部のリゾートエリアでは唯一の買い物エリア、パッサ・ オレオレ≠ニいう文字が。ネーミング的にも気になり、行ってみたくなる。ホテルからはシャトルバスが運行しているらしいが、バスの 時刻を確認してみると、5分前に出てしまい、次のバスは2時間半後とのこと。そんなに待てないため、仕方なくタクシーをチャーター する。タクシーといっても普通の乗用車だったが、つまり先程書いたように、ビンタン島には流しのタクシーなど皆無ということである。 シャトルバスは往復2S$(ビンタン島北部では、シンガポールドルが流通している。もちろんインドネシアのルピアも使える。)だが、 タクシーは片道18S$。高いが仕方がない。そんなこんなで、やっとパッサ・オレオレに到着した。

 着いたはいいものの、いかにものんびりとしたショッピングビレッジという感じで、一応スーパーマーケット (…と言って良いのかどうか)、民芸品、マリンウエアなどの店が20件ほど並んでおり、ローカルフードのレストランもあることは あるが、どうも賑やかではない。客が少ないのか、店に入ると店員が人懐っこく、商品の説明を始めてしまうくらいだ。まあここが 賑やかだとしても場違いな気がするので、これで良いのだと思うが、ローカルな雰囲気を楽しみたい人以外は、あまりお勧めできない (本気で買い物目的で来てたとしたら特に…)場所だとは思う。買い物はホテル、またはシンガポールで…って感じ。
 だが、ここで食べたインドネシア料理は美味しかった。椅子は外に並べられていて、夕暮れ時に飲むビール(2S$)は最高。もちろん お馴染みのナシゴレン(3S$)、やミーゴレン(同じく3S$)もあります。これを食べにここに来るなら、意味はあるかもしれない? …まああくまで参考までに…。
 帰りはバスにしようと思い、ご飯を食べ終え、早速バス乗り場へ。そこには1人のおじさんが立っており、「ビンタン・ラグーン?」と 聞いてきた。行きはバスで来てないので、チケットを持っていない、いくらかと聞くと、2S$だという。つまり、シャトルバスは片道 でも2S$、往復でも2S$。だったら、最初からバスの時刻を調べて、バスで来ていれば良かった。皆さんも、ビンタン島のホテルに 着いたらまず、シャトルバスの時刻を調べることが先決かもしれないです。

  2004年7月24日(3日目)

 今日でもうシンガポールに戻るわけであるが、我々の乗るフェリーの時刻は17:30発。このホテルのチェックアウト 時刻は12:00なので、それまで何をしようかと思う。だが、全然その心配は無用だった。ここはリゾートホテルなのである。時間を潰す 施設は数多くある。我々はスパやプールなど、大いに利用したが、たっぷり4時間はついやした気がする。しかし非常にのんびりとした 時間が過ごせ、とても有意義な時間が過ごせたのではないだろうか。

 行きに乗ったバスと同じように、またホテルのシャトルバスに乗ってフェリーターミナルへ…。途中ターミナル 付近の道で野生の猿の集団を見かけた。普通に道の脇の木々にタムロしていたわけだが、バスの乗客みんながそれに見入っていた。 バスにはやはり、世界の色々な国々の人が乗っていたわけだが、どこの国の人でも珍しい光景だったといえるのであろう。ターミナル ではまた、出国審査やら荷物検査やら面倒臭い作業が続くが、もう慣れてしまった…。フェリーは予定通りビンタン島を出航。辺りは もう日が落ちてきているようだった。
ビンタン・ラグーン・リゾート内のプール
リゾート気分が満喫できるはず シンガポールに向かうフェリーから見えた夕日  2日目のときにも書いたが、シンガポールとビンタン島(インドネシア)には1時間の時差がある。17:30にビンタン島を出発して、 45分後にシンガポールに着くが、シンガポールの方が1時間早いため、19:15に着くことになる。だが、シンガポールとビンタン島の 位置関係を見てみると、ビンタン島の方がシンガポールより東にある。つまり、ビンタン島の方が早く太陽は沈むことになる。要するに ビンタン島の方が日の沈む時刻が全然早くなってしまうわけで、ビンタン島時間の夏の夕方18:00といっても、薄暗くなってきてしまう わけなのである。ちょうどフェリーからは夕日が見えた。シンガポール時間では19:00である。
 なんだかんだでフェリーは遅れてしまい、シンガポールのターミナルに着いたのは19:30ぐらいだった。現地では、ホテルまで送って くれるガイドの人が待ってくれたが、この時間のフェリーはよく遅れるとのこと。また、入国審査に手間取ることもあるためか、昨日、 やはりビンタン島から戻ってきた日本人観光者は、20:00を回ってやっと、ターミナルから出てきたらしい。じゃあ我々はまだマシだと いうことか。もっとスムーズにさせれば良いのにと思う。
 ホテル(1日目と同じ所)に着いたのは20:00過ぎぐらい。デパート等は21:30〜22:00ぐらいまでやっているので、少し行ってみようと 思った。明日は買い物三昧になるかもしれないので、下見を兼ねて…という感じである。我々の泊まったホテルは、ル・メリディアンと いうホテルなのだが、オーチャード・ロードという、観光者にとってシンガポールのメインストリートみたいな道に面しており、有名な お店(特にブランド物の)はだいたいこの道沿いのデパートに入っているので、大変便利な場所にあるといえる。もちろん地元の人から (今日は土曜だから、家族連れが多いのか?)観光者まで、とても賑やかな雰囲気に包まれている。しかし観光者は色々な人種がいる。 それに加えて地元の人も多種多用な顔ぶれだから、まさにアジアの人種の喧騒…という感じがする。日本では絶対にこんな光景は見られ ないであろう。
 日本に戻るのは明後日だが、朝3時半にはホテルを出なくてはならないため、実質観光できるのは明日が最後だ。朝から晩まで行動 することは必至で、体力も使うであろう。なので今日は早め(…といっても夜12:00くらいだが)に眠ることにした。

  2004年7月25日(4日目)

 朝早くホテルを出たかったが、なんだかんだで出たのは9時ごろになってしまった。今日はかなり色々なところを 回るつもりである。時間が許してくれるのか…。

 とにかく私の移動の基本は電車である。シンガポールには台湾と同じように、MRT(Mass Rapid Transit)という 電車が走っていて、中心部は地下を走っており、だいたいの観光場所は網羅しているので、今日も何回か使う事になるだろう。前に 海外日記で書いた上海の地下鉄と同じように、ホームには液晶ディスプレイが備えられ、あと何分で電車が来るかが分かるようになって いる。どうやらアジア地域の最近の地下鉄の駅には、このような施設のタイプが多いようだ。チケットは最近、磁気カード(東京でいう パスネットみたいなカード)からICカード(東京でいうスイカみたいなカード)に変わり、日本のスイカと同じように、1S$の デポジット(保証金)が加算されるようになった。これがまた煩わしい。日本のスイカはお金をチャージすれば何回も使えるが(もちろん そういう種類のチケットもあるのだが)、シンガポールのMRTでは普通の乗車券を1回1回買うごとに加算されるのである。つまり、 今までより1S$多く料金を払っている事になるわけだ。もちろんデポジットは、目的地の駅で払い戻しができるが、また自動券売機に 並んで払い戻ししなくてはならない…。こういった事を考えると、シンガポールでもプリペイド式のチケットの方が良さそうだ。値段は MRTのリトル・インディア駅
この線は最近開通したため大変綺麗 15S$(そのうち5S$がデポジット)。複数回乗るならこれだろう。もちろん増額(チャージ)もできるし、何より料金が割り引きに なるのがいい。さらにバスにも使える。もちろん使い切れなかったら後で払い戻しもできるし、有効期限も無い。だが我々は結局使う ことはなかった…(今度来たら多分使うでしょう)。

 さて、サマセット駅からMRT North South Line(日本風にいえば南北線)からドービー・ゴード駅に向かい、 最近開通した North East Line(東北線)に乗り換え、リトルインディア駅に向かう。さすがに開通したばかりとあって、駅施設も電車も 近代的。リトルインディア駅なんて、どんな駅かと思ったが、かなり洗練された大変綺麗な駅だった。
さて、最初に向かった地域、リトルインディアであるが、古くは1820年、イギリスの植民地政策として、南インドから移民させられた 人々が住み着いた街である。駅から街中まですぐなのだが、確かにインド系の人ばかりが往来しており、サリーを着た女性なども見かける ようになる。どこからかインドの独特な音楽が聞こえ、店をのぞくと色とりどりの香料。というか、店をのぞかなくても、辺りが香辛料 などの匂いに包まれているような感じなので、たちまちインドに来ているような錯覚さえ覚えてしまう。
 まずリトル・インディア・アーケードへ。ここにはお菓子やアクセサリー、雑貨、スパイスの店、神様グッズ?の店など、よくわから ない店まで、狭いエリアに密集してあり、ここでは明らかにインドの世界を満喫できる。ただ、観光の目玉である場所なので、お土産屋 が多く、その分値段も高めらしい。そのために値段交渉が必須となる。こういう場所(要するに、デパートやブランド物の店、または スーパーマーケットみたいな店以外)で何かを買うときは、シンガポールでは値段交渉が鉄則だ。シンガポールでは、値切ること自体が 買い物の面白さのひとつにまでなっているのだ。…といっても、どうも我々日本人には慣れない作業で、だいたい言い値の6割〜7割 ぐらいが合格ラインらしいが、8割で買えれば良いほうだった。これには相当の忍耐がいるんじゃないかと思ったものである。
スリ・ヴィラマカリアマン寺院
もちろん中にはインド系の人で溢れている 独特な街並みのリトル・インディア周辺  その次に、リトル・インディア・アーケードの向かいにあるテッカ・センターへ。ここはいわゆるショッピングセンター。1階には フードコート、2階にはスーパーマーケットが入店している。前述のリトル・インディア・アーケードが観光者向けなら、ここは庶民 向け。多くの地元の人の生活に密着した場所となっている。さながらアジアの屋台市のようで、とても活気があり、インド人のパワーを 肌で感じることができた。
 さて、インド人街に来たならヒンドゥー教の寺院は見ておきたい。テッカ・センターから徒歩5分足らずで、あの独特の彫刻の門が 見えてくる。これがスリ・ヴィラマカリアマン寺院である。門に彫り込まれているのはヒンドゥー教の神々や神聖な動物の牛などである。 シヴァ神やヴィシュヌ神、シヴァ神の妻カーリー神などが有名であろうか。ここを通り越してもう少し先にある、スリ・スリニバサ・ ペルマル寺院には中にも入ったが(もちろん土足は厳禁だ)、インド系の人でいっぱいだった。願い事のある信者が供え物や布施そ捧げ、 上半身裸の僧侶がそんな信者のために神に祈っている。また、結婚式の儀式みたいなのが行われているのも見かけた。これも日本人の 我々にとっては見かけない文化であったが、とても神聖な感じを受けた。

 次に向かうのはアラブ・ストリートと呼ばれる地域である。先ほどのリトル・インディアがヒンドゥー文化なら、 こちらはイスラム文化が垣間見られる地域だ。サルタン・モスクというシンガポール最大の回教寺院がこの地域のハイライトであろう。 サルタン・モスク
イスラムの国に来たようである イスラム教徒は、庭園内にある水場で全身を清めてから礼拝堂に入ることになっているという。一般の見学者は靴を脱いでの見学となって いて、必ず長ズボン着用とのこと(短パンなどで見学に行くと、緑色のイスラム服を貸してくれるらしい)だが、時間節約のため、今回は 中に入るのはパス。しかしこのサルタン・モスクの堂々たること。このイスラム風の黄金のドームを見るだけでも価値はあると思う。

 西友やパルコなど、日本でもお馴染みの店を抜けつつ、我々が次に向かったのはラッフルズホテルである。この ホテルはシンガポールでもシンボル的な存在で、サービス、設備、雰囲気など、どれをとっても世界のトップクラス。創業は1887年、 それまでシンガポールには在住ヨーロッパ人にとって社交場と呼べるような場所がなかったのだが、そこにこのホテルをオープン、以後 ヨーロッパ人だけにとどまらず、東南アジア、南太平洋を旅する人々の社交場としても賑わうようになる。各国の王族や政治家といった 多くのセレブ達も訪れ、次第にラッフルズは「東洋のサボイ」と呼ばれるようになったという。とにかく有名なホテルなのだが、実際 行ってみるとこれがまた神秘的。多くの観光客がその建物をカメラに収めているが、ここにも色々な人種が…。さすが世界のラッフルズ ホテルだ。ロビーすら滞在客しか入れないが、このホテルはショップやお土産が併設されており、有名なシンガポール・スリングは ここにあるバーで飲め、またシンガポール・スリングの素もここで売っている。なかなか楽しい場所なのでおすすめである。とにかく 広い場所なので、ゆっくりと時間をかけて巡りたいものだ。

シンガポール川に架かる橋からマーライオンを望む
マーライオンの正面に行けるように桟橋が設けられている

 さて、ラッフルズホテルを抜け、マリーナ・ベイの方に抜けると、シンガポールで最も有名なポイントであろう、 マーライオンが目に飛び込んでくる。ところで、『世界3大がっかり』というのを御存知だろうか。諸説ではコペンハーゲンの人魚姫、 ブリュッセルの小便小僧(シドニーのオペラハウスという説もあり)、そしてシンガポールのマーライオン…らしい。これらのポイントは 世界的に有名にもかかわらず、実際見てみると自分の想像していた物と大分違い、落胆して帰っていくことが多いという代物らしい。 私は中学生の時ぐらいから、このことは知り合いの話しで聞いていて、それから色々な人の意見も聞いたが、その中で常に上位にランク インされている(これは世界的にすごい事なのではないだろうか?)のがシンガポールのマーライオンなのである(世界3大がっかりについてはこんな面白い記事があったので、参照して下さい ⇒ The 3 Gakkari)。
 そのせいかどうかはわからないが、2002年にマーライオンは海側に新しくできた公園に引越しをした。しかも、ただ単に引越しを したのではなく、マーライオンを正面から見れるようにと、海にせり出すように桟橋が設けられ、また、常に水を口から吹き出せるよう 噴水機能もパワーアップさせたとか…。というか、今までは川に向かってマーライオンは向けられていたので、正面から見るには川の 対岸から遠くに見ざるをえなかった。そして今度は近くで見ようとしても背中しか見えない…。しかも口から水を吹き出すのは、1日に 2回だけだったらしい。これでは『世界3大がっかり』と言われてもしょうがない。
 しかし私が今回実際に見た、つまり改善後の姿であるが、まず公園の雰囲気がとても良く、マーライオンに正面からカメラを向けると、 シンガポールの高層ビル群も入るので、なかなか良い絵も撮れる。何よりも世界中から観光客がやって来ていて、しきりにマーライオンに 桟橋からマーライオンを撮ると、こんな絵になる
いい感じではないですか? 本家マーライオンの後ろには
ミニマーライオンも建てられている カメラを向けている姿が大変微笑ましく、周囲を活気付かせてくれる要因にもなっていたような気がした。これなら、シンガポールの顔 としての面子は保たれるようにはなったのではないだろうか。夜にはライトアップもなされるらしい。それも是非見てみたいものだ。

 意外と良かったマーライオンに満足した我々は、次にチャイナタウンへと足を運んだ。シンガポールは国民の 約75%は中国人なため、それこそ一昔前なら、どこへ行ってもチャイナタウンの雰囲気だったらしい。だが、「都市再開発」という 名の下で、街は大きく変貌を遂げてしまったのである。そのため、今「チャイナタウン」と言うと、この一部の地域だけを指すように なってしまった。しかし、ここさえも「開発」の言葉が入り乱れているというのである。確かに街中は工事中の箇所が多く、上海や台北 でみたような、いわゆる中国っぽい感じの街並みはあまり見られなかった。あるにはあるのだろうが、恐らくごく一部のエリア、という 感じなのだろう。
 しかし、中国雑貨の店は多かった。、今回、リトルインディア、アラブ・ストリートと見てきたが、ここチャイナタウンが最も品揃え が良く、しかもいちばん価格が安かったような気がした。また、今あげた3つの地域は、1つはヒンドゥー教、もう1つはイスラム教、 そしてここチャイナタウンは仏教の文化であるが、こんな狭いエリアに、よく3つの異なった文化が入り交じれ、しかも共存できたもの だなと、強く感じた。それぞれには寺院が建っているのだが、これらすべて徒歩圏内に存在するのだ。お互いの文化の共存…これが実は シンガポールの大きな魅力になっているのかもしれない…。

 この後は買い物三昧だ。ホテルのあるオーチャード・ロードに戻って荷物を置き、体を軽くしてからいざ出陣。 行ったお店は数多く書ききれないが、シンガポール高島屋S.C.はブランドの本店が数多く入っており、買い物派には押さえておきたい 場所である。シンガポールには、専門店というのものがほとんどない。だいたい何らかのショッピングセンターや百貨店に入っている。 そして、例えばルイ・ヴィトンは、ヒルトン・ショッピングギャラリー、ラッフルズ・ホテル・アーケード、グアムやハワイでお馴染み DFSギャラリア、そしてシンガポール高島屋S.C.と4店舗があるのだが、その中で本店は高島屋S.C.にある。もちろん、 品揃えが良いのが本店だ。だから、シンガポールでブランド物のショッピングは、効率化を目指すなら本店で、なのである。シンガポール 高島屋S.C.には、本店があるのがこのヴィトンの他、カルティエ、ティファニー等。また、本店ではないが、エルメスやフェラガモ の品揃えも良いという。また、グッチやフェラガモの本店もあるパラゴンというショッピング・センターも外せない。ここの地下には、 台北編で書いた『鼎泰豊』という小籠包のお店もあるので、さらにお勧めである。ついでに今日の夜ご飯はここにしました。
 夜10時を過ぎてほとんどの百貨店は閉まってしまったが、買い物はまだまだ終わらない。リトル・インディアには、ムスタファ・ センターという、24時間営業のディスカウント・スーパーが存在するのだ。ここでは建物の地下1階から地上2階まで、ありとあらゆる ものが激安で販売されている。サリーや衣料品、化粧品、日用雑貨、電化製品、インドのスパイスや食料品、シンガポールみやげなど、 本当に驚きの品揃えだ。ブランド品もかなり安いらしい。デジカメも売っていて、日本でも販売されている商品が幾つかあったが、私の 知っている限りでは、○ックカメラより安かったかも。品質の問題とかはよくわかりませんが…。

  2004年7月26日(5日目)

 長い長い1日が終わってムスタファ・センターを出たのが夜の1時。もちろん電車はもう動いてないのでタクシーで ホテルへ…。ホテルに着いたのが1時半。前にも書いたが、今日、空港に送ってもらうための集合時刻は朝3時半…!!結果、大変タフな スケジュールとなってしまった。しかしこの5日間(実際現地にいたのは3日間だが)、ある意味充実した内容であるのは間違いなかった ように思う。シンガポールが多民族で構成されているという事実を垣間見れたから、しかも短期間で見れたから、より強くそう感じたの かもしれない。どうやら、異文化を肌で感じるというのが、私の海外旅行のテーマなのかもしれない。それがわかっただけでも、今回は 大収穫な旅行だったのではないかと思うのである。


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